飼育されている鳥は、その環境ゆえに「本能がゆがんでしまう」様な気がします。
「本能が薄れる」のとは少し違う気がするんです。
要所要所での本能は働くのに、重要な部分の本能が働かなかったり・・・
野性のオカメインコは、ペアの相手がいなくても無精卵を産む事があるのでしょうか
メスがたった一羽だけで巣作りを行い、無精卵を産む事があるのでしょうか
コレがとても興味深いのですが、本当の事は分かりません。
でもおそらく「無いだろう」と想像するのです。
何故ならソレは「無駄に自身を危険に晒す」行為に他なりませんから。
野性下でペアの相手を亡くしてしまったり、ペアの相手がいないのに発情する事は有るでしょうが、産卵にまでは至らないだろうと思われるのです。
では何故飼育下では産んでしまうのか
一つには「餌の心配がいらない」事も理由だと思います。
一つには「外敵の心配が無い」事も理由だと思います。
一つには「ペアの相手が、種族の違う人間だっただけ」というのも有るかもしれません。
野性下では、いつかはペアリングする時が来るのですから、ソレまでの間抑えて我慢するだけで良いだけなのかもしれません。
野性下でも、雛が全滅してしまったり、早々に巣立ちしてしまうと・・・
そして季節的に十分な余裕があり、餌も十分取れる環境があり、自分の体力に余裕がある場合には「追い盛り」と言って「新たな産卵」に入る事があるそうです。
ですが野性下で「いい環境」である時期は限られており、こういうケースはそうそう有るものではないのだろうと思います。
又、野性下で生きている場合には「子孫を残す」事よりも「自分の命を守る」本能の方が強く働くと思います。
自分が生き延びなければ、雛が孵っても守る事は出来ないのですから。
ところが飼育下では、逆のケースが見られるようです。
自分の残された体力省みず産み続けてしまう。
自分の命を守る事より、発情の本能が働いてしまう。
コレを矯正するのにはどうしたらいいのでしょう
おそらくココがポイントだと思うのですが、生憎答えは見つけられていません。
最近気が付いた事があります。
メスの産卵前は、体重がどんどん増加して、とても大きな粘性の高い糞をするようになる。
だから、こういう状況が見られたら産卵間近として対応するように・・・と言われていますが、無精卵を産む子達で「体重変化もなかった」「糞も特に巨大になっていない」と言うのを度々見かけるようになったんです。
私は「いやいや、そんな筈はない、体重変化はともかく、あの巨大な為糞に気が付かないなんて・・・」と思っていたのでした。
でもどうやら本当に「殆ど変化のないままに産卵に至っている子達」がいるようなのです。
そこで「何故だろう」と考えてみました。
ソレは多分「巣の存在」ではないかと思うのです。
「ココに産む」と決めたら、親鳥は体調の準備を始めます。
必要な栄養を沢山取り、巣にこもって巣作りをし・・・
この頃から既に溜糞が始まり、ソレは徐々に大きくなって行きます。
巣にこもる時間が長くなるにつれ大きくなり、でも飼育下では自由に糞を出しにケージの外へ行けませんから、余計に我慢して大きくなり・・・
巣の近くに糞を落とすのは「外敵に卵の場所・雛の場所」を知らせる事になってしまいますから、オカメインコは巣の近くで糞をする事を極端に嫌うようになります。
だから溜糞して、遠くに行ってから出すのです。
でも無精卵を産む子達は「巣が無い状態」ですから・・・
或いはケージとは全然別の場所を「巣と認定している」でしょうから、ケージ内で糞を溜める必要も無いのでしょう。
溜糞は大きければ5g位ありますから、つまり糞だけで体重が5g増えた状態になっていると言えますが、この溜糞が無ければ5gの体重変化は無いのも当然です。
ですから飼い主にとっても「産卵時期が判断しにくい」状態なのだと思います。
もう一つ最近感じている事があります。
私が巣引きの勉強をしている頃「オカメインコは孵化時期を揃えて雛の生存率を高める為、3個目くらいから抱卵する事が多い」と聞いていたのです。
だから3個目まで抱卵しなくても大丈夫・・・と聞いていたのですが、我が家の子達は初卵から暖め始めました。
同様に、巣引き経験の少ない個人の友人宅等でも初卵から温める子が多いようでした。
だから私は「巣引き経験の豊富なベテランペアだと、何度かの失敗の末に、そういう本能が働くのだろう」と思っていたのです。
ですが、無精卵の子も「産んだ卵を温めない」「卵に全く関心が無いようだ」という話しが多いのです。
その都度「オカメインコは3個目くらいから暖め始める子が多いみたいですよ」と伝えてきました。
密かに「おそらく優秀な母鳥の素質があるのだろうに、無精卵なんだから皮肉だよなぁ」なんて思っていたものです。
ソレに引き換え我が家の子達はどちらのペアも初卵から暖め始めて・・・
勿論それでも立派に雛を育ててくれましたが、我が家の子達はそういう本能が薄いのかななんて思っていたんです。
最近あてつけられているように、そういうのを見かける事が多々あり「始めて卵産んじゃいましたぁ、でも全然卵に興味ないみたいで・・・」というのを見るたびに「うちの子達は何故」と思っていたのです。
何故なら私は日頃から「出来る限り野性の本能に近い状態でいさせたい」「出来る限り本能を失わせたくない」と思って育てているからです。
そんな事全然考えてもいないような人たちの子は本能が強く残っているのに、うちの子達は・・・なんて思ったのでした。
でも、ソレが「無精卵確定の子達ばかり」という事に気が付きました。
安心して産卵・抱卵・育雛出来る【巣】を持っていない子達です。
発情防止の対策として「巣と勘違いされるようなものは撤去し、巣と思われる場所は封鎖する事」ってのは鉄則のように言われていますからね、当然です。
なので逆に「雛の生存率を高める本能」が強く働いているのではないかなんて思ったのですがどうでしょう
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★今後の掲載予定★
◆巣引き記録【06秋】−−−随時掲載
◆巣引きの知識【その2】−−−近日予定
◆鳥の感染症PBFD・オウム病等【その3】−−−近日予定
◆鳥の中毒事件【その5】−−−随時掲載
◆「コンパニオンバードNo.5」の感想−−−近日予定
◆オカメインコの種類その4・・・シナモンパールパイド
◆オカメインコの種類その5・・・ルチノーシナモンパール
◆オカメインコの種類その6・・・WFシナモンパイド
◆オカメインコの種類その7・・・WFルチノーシナモン
◆オカメインコの種類その8・・・珍しい種類
◆「インコをよい子にしつける本」の感想
◆挿餌の与え方〜一人餌になるまで−−−秋雛が出始める頃までに掲載予定
◆使って良かった鳥用品紹介 【その2】−−−近日予定
◆失敗した鳥用品紹介【その1】−−−近日予定
◆身近に有る危険な物【その3】