突然ですが、健康診断について書く事にしました。
◆健康診断って何するの
健康診断は、病気の有無を発見するものです。
オカメインコに多く見られる病気は主に4種類あり、「原虫」「真菌(カビ)」「細菌」「そのう炎」です。
この他には、オウム病・PBFD等の怖い感染症が出る事も有りますが、これ等はソレ程高い頻度で発見される病気では有りません。
「原虫」「真菌(カビ)」「細菌」は、殆どのオカメインコが持っているとも言われており、普段は病気を抑えられていても、体力の弱い雛や体力の落ちた換羽時期等に発症する事が多々有ります。
この為、手乗りにする為に「雛」でお迎えする事の多いオカメインコの場合、お迎えしたら健康診断をするよう勧められています。
早期発見されれば、「抗生物質の投与」により比較的簡単に治療する事が出来ます。
ですが、そのまま放置していれば落鳥してしまう事もある怖い病気です。
薬の投与は、症状によりますがおおよそ2週間〜3週間程度です。
抗生物質の投与は、体内の善玉菌をも殺してしまう事になる為、抵抗力の低下を招き「他の病気の発症」を促す原因になる場合も有ります。
この為、「長期間投与による完治」を行わず、ある程度やっつけた所で治療を終了し、あとは体力で抑えさせるという方針のドクターと、完治を目指して長期間投与を行うドクターがいるので、事前にドクターの治療方針も聞いておいた方が良いと思います。
又、これ等3種の病気(その中にも色々種類が有ります)は、与える「抗生物質」の種類がソレゾレ異なります。
ですから、次から次へと違う病気が発症してしまうケースも有ります。
この3種の病気は、体内の「そのう」という部分(人間の胃袋のような部分)に居て、糞と共に排泄されます。
ですから「糞の検査」を行うのですが、糞として排泄された病原菌は「短時間で死ぬ」為、新鮮な糞でなければ発見されず、又余程病原菌が多くないと「糞の検査」だけでは発見されない事が多々有ります。
ですから、最低限「糞の検査」と「そのう液の検査」が出来る病院に掛からなければ「発見出来ないので治療出来ない」という事になってしまいます。
そのう液の検査は、「注射器のような器具」を口からそのうに入れて、直接そのうから「内容物を取り出す」検査です。
ですから「発見出来る確立」が格段に上がる事になります。
ですが、現在の日本の獣医科大学では「鶏の構造」について少し触れられるだけで、「鳥に関する知識」を得る事が殆ど出来ないと言われています。
この為、鳥の知識を得る為には「海外の大学で学ぶ」必要があるとも言われています。
それで「鳥を診れる病院」が少ないのです。
診療科目に「鳥」が入っていても、実際には知識も経験も設備も無い病院が多いのです。
なので事前に必ず「糞検査とそのう液の検査が出来るか?」を確認し、最低限でもその二種が出来る病院を探して連れて行かなければなりません。
大都市には「鳥専門病院」も有りますから、可能なら「鳥専門病院」に掛かる事をお勧めします。
雛で発症しやすい病気には「食滞」「そのう炎」という病気も有ります。
「食滞」は、食べた物が消化できずにそのうに残るため、中で固まってしまったりします。
コレを放置していると「そのう炎」に発展してしまいます。
「そのう炎」は、その名の通り「そのうが炎症を起こす」病気です。
雛の時期の挿餌が長引き過ぎたりする事によって発症する事も有りますし、人間の食べ物(特に加熱したでんぷん質)を与える事によって発症する事も有ります。
最低限これ等の基本的な病気を、発見・治療出来る病院で健康診断を受ける必要があります。
これ以外にも、PBFDやオウム病などの感染症を発症する事も有ります。
この様な病気だと「検査」出来る病院はもっと限られてきますし、検査→発見出来ても治療は行えない病院が殆どです。
ですから、普段の健康診断を受ける病院以外に、大病の時に掛かれる病院を探しておく必要も有ります。
これらの感染症はそれほど多く出る病気では有りませんが、空気感染する病気なので他の鳥との接触には最大限の注意を払う必要が有ります。
多くの場合「健康診断」でこれ等の検査を行う事は無く、何らかの症状の発症により検査を勧められるようです。
オカメインコは所詮小さな生物ですから、些細な事でも簡単に落鳥してしまう危険があるという事を常に意識して、早目の対処を行えるよう観察する事が大切です。
鳥は病気を隠すと言いますが、飼い主の観察次第で「早期発見」が可能です。
「糞の状態」「体重変化」「いねむりの度合いや動きの変化」「嘔吐物の発見」等、何かの異変を感じたら「即病院」に行きましょう。
インターネットで「こんな症状って病気でしょうか?」と聞く時間が有ったら、即病院に連れて行ってください。
インターネットで「病気の相談」をしても「治す事」は出来ません。
相手は医者では有りませんから、ましてや自分で直接その子の状態を見ている訳でもないのですから「大丈夫」と言われても信じてはいけません。
又、例え相手が適切な病名を答えてくれたとしても、ソレで治る訳では有りません。
最終的には「病院で検査」を行わなければ、本当の事は分かりませんし治療も出来ません。
迷っている間に「その子の命の灯」は、どんどん消えつつあるのだと認識していてください。
◆病院の費用ってどれくらい
地域や病気の種類に寄っても違いますので一概には言えませんが、普通に健康診断をするだけなら三千円程度で済むと思います。
コレで病気が発見されて「薬が処方」される事になると、薬代やその後の診察が必要になりますから、1つの病気で五千円〜一万円は覚悟してください。
呼吸器系の病気が発見されて、ネブライザー等特殊な機器を使用した治療や、重態で入院が必要な場合には、一ヶ月に数万円掛かる事も有ります。
◆ペット保険は入った方が良い
ソレゾレの考え方にもよると思いますが、雛の時に病気で通院を重ねていた頃は、私も真剣に「ペット保険加入」を考えました。
オカメインコを飼い始めて2年半位ですが、コレまでに7羽で掛かった病院代は軽く10万円超えていると思います。
(健康診断・薬代・治療費等全て含めて)
ですがその殆どは「雛の時」に掛かった費用で、その後は健康診断で一羽一回1500円程度(一度に数羽だと安くしてくれるんです、私の掛かっている病院は)なので「入らなくて良かった」と思います。
でも万が一大病で大金が掛かる事を考えて入ろうと思うなら、今は鳥も入れるペット保険が数種類有りますので、検索で調べれば見つけられると思います。
費用は、その子の年齢・地域にも寄りますが、一羽×1ヶ月1500円程度だと思います。
保険の種類に寄って、使える病院・使えない病院がありますから、事前に調べておいた方がいいでしょう。
記載内容に「間違い」「誤解を招きやすい表現」等を見つけられましたら、HP の掲示板orメールにてご連絡いただけるとありがたいです。
★今後の掲載予定★
◆発情抑制についての仮説−−−近日予定
◆チークパッチの色での雌雄判別って出来るの?−−−近日予定
◆オカメインコの種類その3・・・パイド
◆オカメインコの種類その4・・・シナモンパールパイド
◆オカメインコの種類その5・・・ルチノーシナモンパール
◆オカメインコの種類その6・・・WFシナモンパイド
◆オカメインコの種類その7・・・WFルチノーシナモン
◆オカメインコの種類その8・・・珍しい種類
◆「インコをよい子にしつける本」の感想
◆挿餌の与え方〜一人餌になるまで−−−春雛が出始める頃までに掲載予定
◆使って良かった鳥用品紹介
◆シードの洗浄実験−−−暖かくなったら行う予定です。
◆オカメインコの寿命、本当はどれ位なの?