本当に長い時間を掛けて、やっと解剖検査結果が書面でもらえました。
↑写真↑は、亡くなった1号chanと2号chanです。
こんな小さな頃から、毎日毎日ママさんは様子を見て、様々な事に一喜一憂しながら大切に育てて来ました。
やっと「もう安心出来るかな」と思ったところに事件は発生したのです。
この事件の詳細に関しましては【コチラ】「オカメインコの中毒関連」をご覧ください。
届いた診断書は、以下の様なものでした。
病理検査報告書 2006年9月23日
固体番号1 オカメインコ 1号ちゃん
死体
病理解剖
主たる部検所見は以下の通りである
鳥種:オカメインコ
性別:メス
体重(剖検時:92g)
外観:両外鼻孔の赤色化±、頚部に筆毛状羽毛±
そのう:種子の貯留++
体腔:黄白色脂肪の沈着+
心臓:肥大±、心尖部領域で暗赤色化+
肺 : 両側全域で鮮紅色化+++。水腫性+++
肝臓:暗赤色化+(右葉の後方辺緑++)
脾臓:腫大+。暗赤色化+
肝臓:暗赤色化+++(地質内に黒色斑あり)、腫大+
脳 :大脳〜脳幹の全域で赤桃色化+
----------------------------------------------------------
組織診断
全身諸臓器について組織検査を実施した。主たる組織所見は以下の通りである。
肺:肺全域で高度の充うっ血がみられ、血管及び気管支周囲は高度に水腫性である。第三次気管支壁の上皮細胞は軽度〜中等度に過形成を示し、気管支腔内には、赤血球を混じるエオジン好性の液体が少量ながら貯留している。これら第三次気管支周囲の呼吸細気管支では、時に小円形構造を示すケラチン様物質が集簇してみられる。幹気管支皮では粘液細胞の過形成が明らかで、粘液の分泌亢進がみられる。背側二次気管支周囲には限局性にリンパ球の集簇がみられる。幹気管支および二次気管支腔内には赤血球が集積している。
気管:気管周囲識は高度に水腫性である。
食道:粘膜下識には高度の充うっ血・水腫がみられる。
肝臓;びまん性高度の充うっ血がみられ、あらゆる血管と類洞が大きく拡張している。細胞質に褐色色素の沈着した肝細胞が散見される。
脾臓:リンパ球の激数が著しい。びまん性軽度の充うっ血がみられる。
胸腺:中等度の充うっ血がみられる。軽度のリンパ球減数がみられ、皮質領域にスターリースカイ像が散見される。
腎臓:びまん性高度の銃うっ血がみられる。尿細管上皮は多くが変性を示し、凝固壊死を示す上皮も散見される。
心臓:特に異常はみられない。
コレは、3羽の中の1号chanの診断書です。
当然ですが、3羽分の診断書が届いていますし、その内容には多少の違いがあります。
例えば性別であったり、各臓器の検査結果の+−に多少の違いがあったり、所見内容も全員丸写しと言う訳ではありません。
ですがココで3羽分を全て掲載してもあまり意味はないと思います。
だって内容に多少の違いがある物を3羽分見ても、その違いが分かりますか
私には全く分かりませんでした。
結局何なのよ何が言いたいのよって感じでした。
症状だけをただ羅列してある物を見ても、素人には「で結局どういう意味」としか思えないものです。
私は3羽分を見せていただきましたが、正直途中で読むのが嫌になりました。
だって全然意味分からないんですから。
なのでココでは敢えて1羽分だけを掲載させてもらう事にしました。
この子を選んだのは特別何の意味もありません。
ただ見せてもらった順番で一番最初のものだったというだけの事です。
一番被害が大きかったとか言う訳ではありませんし、正直3羽分見比べても「どの子が一番酷い症状だったのか」なんて分かりませんでしたから。
それでも、こんな風に訳の分からない物をわざわざ掲載したのは「こんなに意味不明のものなんですよ」って事をお見せしたかったんです。
でもおそらくママさんは、3羽分の症状の違いなんかを読み取ろうと必死で見比べて、言葉の意味を理解しようとした事と思います。
そして診断書には、仲介に入ってくれた病院の見解も添付されていました。
正直な話、ソレを読んで始めて理解できる状況でした。
◆病院からのコメント
上記の剖検所見及び組織所見から、本症例は呼吸器不全が死亡に深く関連していたと推察されました。また、この呼吸不全に伴って全身性の循環器障害が発現していた事も窺われました。本症例では、肺で見られた急性の充うっ血病変が主たる所見でありますが、病原体感染を示唆する所見が得られなかったことから、死亡原因と考えられる呼吸器不全は、急性の吸入毒性に起因することが強く疑われました。さらに、上部気道である気管に異常は見られず、より深部である肺気管支で病変形成が強く認められていたことから、原因物質はかなり細かい粒子の毒性ガスである可能性がありますが、原因物質を特定するには至りませんでした。尚、前日に2羽の同居鳥が突然死した事に加え、近所での塗装工事が行われており、飼育環境でも臭気があったことから、これが今回の吸入毒性が疑われました集団死に関連していた可能性もあると思われますが、あくまでも推測の域を脱しません。
一般に鳥類は、解剖学的および生理学的に特殊な呼吸器構造を有している事から、毒性物質の吸入に対しては哺乳類よりも極めて高い感受性を示します。
例えば、新築家屋におけるホルマリンや粘着基材など粘膜刺激のある揮発性物質の残存、テフロン加工されたフライパンの空焚きや喫煙による煙、都市ガスやプロパンガスのわずかなガス漏れなどにも非常に敏感で、これらによって中毒症状を呈する事も少なくありません。
◆担当医からのコメント
急性の吸入性中毒による呼吸器不全という結果でしたが、中毒性の物質に関しては特定は出来なかったようです。しかし、前日まで元気のあった固体において突然死を引き起こす可能性のある病態とすると、解剖検査で他の異常が認められなかった事、感染症病原体に付いても認められなかった事を考えると中毒性のものが一番疑わしいと思います。尚検査結果の内容に関して何かご不明な点がありましたら、お手数ですが病院の方までお電話をいただければと思います。
いかがでしょうか
空気汚染に拠る中毒死である事は「ほぼ認定」してくれていますが、結局「物質は特定出来ない」とされています。
近隣建築工事の塗料の溶剤に関しては、わざわざ「推測の域を脱しません」と書いてあるんです。
更にその後の「テフロン加工フライパン」等での可能性については、わざわざ親切に教えてくれたと言うよりは、「自分に責任があるかもしれないよ」と言っているようにさえ感じてしまいました。
勿論経口中毒ではありませんから、物質が特定出来ないのは仕方ないと思います。
そしてあくまでも「状況証拠」でしか有り得ないのも事実です。
ですが、やはりコレを見て、正直「ガッカリした」という感想しか持てませんでした。
ママさんは尚更でしょう。
つまりこんな診断書やコメントでは、例え裁判をしたって勝ち目が有る筈無いじゃないですか。
お役所側から言われた「警察に届けるか、裁判起こすか」というコメントは「どうせ相手にされる筈がない」事を分かっていながらの逃げ口上だったとしか思えません。
全く手詰まり状態に陥っています。
ママさんの気力も一気に落ちてしまったようです。
こんな風になって、私には何もしてあげる事が出来ません。
ただただ、この現状を少しでも多くの方たちに伝え、一羽でも多くの命を救える事が出来たら、少しはママさんも喜んでくれるでしょうか
協力出来る事があれば何でもしてあげたいのですが、ともかくママさんもどう動いてよいのか分からない状態になってしまいました。
悲しみも憎しみも何処にどうぶつければ良いのでしょう
影ながら応援する事しか出来ずに歯がゆい思いです。
同じような事件に遭遇しても、おそらくママさんほどに頑張って様々な方面に問い合わせをしたり働き掛けたりと言う事が出来る人は殆んどいないと思います。
きっと私もただ泣くしか出来ない事と思います。
今後何らかの進展があり、事態が好転する可能性がないとは言えませんが、現状はこんな感じになっています。
また何らかの進展がありましたら、報告させていただきたいと思います。
★本日の写真・診断書・諸件の文面はママさんからお借りしたものです。
★無断での転載をなさいませんようお願い致します。
明日は"りぼん"6個目産卵予定日です。
↑良かったらクリックしてね↑
★今後の掲載予定★
◆巣引き記録【06秋】−−−随時掲載
◆巣引きの知識【その2】−−−近日予定
◆鳥の感染症PBFD・オウム病等【その3】−−−近日予定
◆鳥の中毒事件【その5】−−−随時掲載
◆「コンパニオンバードNo.5」の感想−−−近日予定
◆オカメインコの種類その4・・・シナモンパールパイド
◆オカメインコの種類その5・・・ルチノーシナモンパール
◆オカメインコの種類その6・・・WFシナモンパイド
◆オカメインコの種類その7・・・WFルチノーシナモン
◆オカメインコの種類その8・・・珍しい種類
◆「インコをよい子にしつける本」の感想
◆挿餌の与え方〜一人餌になるまで−−−秋雛が出始める頃までに掲載予定
◆使って良かった鳥用品紹介 【その2】−−−近日予定
◆失敗した鳥用品紹介【その1】−−−近日予定
◆身近に有る危険な物【その3】