大旦那さまの大好物はニンジンです。
ニンジンを見つけると、年寄りとは思えない素早さで近づいてきます。
そしてわき目もふらず、かぶりつきます。
青菜や果物ではこうはいきません。
ニンジンしか彼を虜に出来ないのです。
いつも青菜と2〜3日交代で召し上がっていただいてます。
今日は2日ぶりの対面です。
「ニンジン!会いたかったぞ!」
嬉しさのあまり、変な顔になってます。
あの、大旦那さま。
誰も生ニンジンなんか横取りしませんから、もう少し落ち着いて食べられたらいかがですか?
「ニンジーン!!」
まったく聞いてません。
ニンジンの何がこんなにも彼を情熱的にさせるのでしょう。
興奮のあまり、すごい顔になってます。
もはや私の知ってる大旦那さまではありません。
誰か止めてください。
「ニンジーン!!!」
大旦那さまの前世は馬だったのでしょうか・・・。
チンゲン菜や小松菜も、これくらい情熱的に食べてくださいませ