今から約6年ほど前、当時勤めていた会社の先輩たちに、「韓国料理を食べに行こう」と誘われました。
当時の私は全くの無知で、韓国料理といえばチヂミとキムチくらいしか思いつきませんでした。
しかし先輩たちの目当てはチヂミでもキムチでもなく、「参鶏湯(サムゲタン)」だったのです。
昨今の韓流ブームでご存知のかたも多いと思いますが、ニワトリを丸々一羽使い、ニワトリのお腹の中にもち米や高麗人参などを詰め込みスープで煮込んだ、韓国の代表的な鍋料理です。
運ばれてきたサムゲタンに喜ぶ先輩たちと裏腹に、めちゃめちゃブルーになる私。
鍋の中で煮えているニワトリ一羽はすごく生々しいです。
しかもチマチョゴリを着た店員のお姉さんが、骨を取るため目の前で綺麗に解体してくれるのです。
私はどうしても食べる事が出来ませんでした。
「あんた、そんなにデリケートだったの?」
いいえ、全然デリケートではありません。
「じゃあ豚足も無理?」
いいえ、食べれます。むしろ豚頭の丸焼きでも食べれると思います。
「美味しいのに。もったいないから食べたら?」
いいえ、絶対無理です。
先輩たちはせっかくだからと散々勧めてくれましたが、大旦那さまの姿がちらつき結局食べる事は出来ませんでした。
「ワシを食うのか?」
嫌だな〜、こんなに可愛い大旦那さまを食べるわけないじゃないですか。
「でもお前は何でも食いそうな顔をしておる」
確かにそうですが、大旦那さま信じてくださいよ〜。
「ワシも気をつけねばな」
・・・大旦那さま。