|
ムカつく、ムカつく、ムカつく……。
ホントに何なの、あの子。
私よりも胸大きくて、私よりも美人で、私よりも……祥吾の心を掴んでる。情愛芳香劑 RUSH
自分と比較すればするほど惨めな気持ちになる。
祥吾は霧香と話している時は自然に笑っていた。
本当に楽しそうにしているのが嫌になる私の中にある気持ち。
嫉妬……？
私が誰かに嫉妬するなんて。
誰にも譲らない、誰も手にしてはいけない私だけの祥吾。
そうか、祥吾があの子に微笑んだのが悔しいんだ。
……許せない、私だけのものに触れようとするなんて。
私は認めない、絶対に認めない。
祥吾は私のためだけにこの世界にいるのだから。
ＧＷに入ったある日、私は朝早くから祥吾の部屋の前に立っていた。
扉をノックせずに部屋に入ると、まだ眠りについてる彼の姿が目に入る。
ホント、黙っていれば女みたいな顔をしてる。
寝顔なんて……私より可愛いんじゃない？
「起きて、祥吾。起きなさい」
私は彼の肩を揺らすと、微かな声でうめきながら彼が目を覚ます。
「う……ん？今何時だ？」
「時計を見る限りでは６時半。ほら、早く起きてよ」
「意味が分からん。今日は休日だろ、ゆっくりさせてくれ」
「いいから、起きるの！もう朝ははじまってるんだから」
私は彼の布団を引っ剥がすとそのまま床に投げ捨てた。
まだ５月に入ったばかり、さすがに布団なしだとちょっと寒い。
「……何なのさ。今日は何か特別な用事でもあったか？」
彼は眠い目を擦りながら、私の方を定まらない視線でとらえる。
「今日はデートしよう？というかどこかに連れて行きなさい」
「また突然な誘いだな。眠いから遠慮する。まだ眠り足りないんだ」
「私に逆らうの、上倉祥吾？」
私の言葉には祥吾は逆らえない。
それが私達の契約だから、彼はそれを守るしかない。
彼は心底、嫌そうな顔をしながら、ベッドから抜け出す。
「しょうがないな。更紗、服に着替えるから外にいけ」
「私も着替え、手伝ってあげよっか？」
「そんな事ばかり言ってると、本気で襲うぞ」
ちょっと不機嫌気味な彼は私をつまみ出そうとする。
私はからかうような軽い気持ちで、
「あら、祥吾にできるの？」
「……更紗。あまり俺をからかうな」
祥吾は真顔でそう答える。ＯＢ蛋白の繊型曲痩 ��
彼は私に近づいたと思うとそのまま私の身体をベッドに乱暴に押し倒す。
「え、えぇっ？あ、あの、祥吾？」
「……そんなに襲われたいなら、望み通りに襲ってやろうか？」
祥吾が自分の服を脱ぎだしたので、私は思わぬ展開に動揺して抵抗も何もできない。
顔が近すぎなのは気のせい……じゃない！？
「え……あの……んっ……」
彼の唇が私の首筋に触れてきて、何だかくすぐったい。
「ねぇ、祥吾？ちょっと、冗談でしょ……？」
予想外の状況にただ彼に成すがままにされている。
こんなに距離が近いのはキスするときだけなので心臓に悪い。
「……そんな困った顔するくらいなら言うな、バカ。冗談に決まってる」
「へ？……あぅ！」
私は突然、視界がブラックアウトしたのに驚いた。
顔に柔らかい感触を乗せられる。
どうやら彼が私の頭から布団を被せたらしい。
「どこにも行く気ないならせめてそうしてろ」
「うぅ……」
彼の服を着替える音に聞き耳を立てながら、私は不思議な気分になっていた。
布団はどこか彼の匂いがしてそのまま彼に抱きしめられてるような気持ちになった。
やっぱり、私は祥吾が好きなんだって実感できる。
「ふふっ……」
「布団の中で笑うな、気持ち悪い」
「うるさいなぁ。この布団、どかしてもいいの？」
「今どかせばもれなく俺の半裸姿が見られるぞ」
私は彼の言葉に逆に顔を赤くさせられた。
ちなみに半裸ってどっちの方？
朝早くから彼を連れ出して私が向かったところは、電車で数時間かかる鏡野家保有の別荘地だった。
自然の多いその場所には今の時期、とても気持ちよく過ごせる。
彼は両手に荷物を持ちながら、別荘へと歩んでいく。
「何でここに？」
「祥吾とふたりっきりでいたかったから」
私は彼の腕に自分の腕を絡ませてみる。
祥吾は何も言わずにそれを受け入れる。
もう少し何か反応してくれても良いのに。
「荷物を置いたら湖の方に行こうね」
「はいはい、お任せするよ」
別荘と言ってもここは観光地でもないので、本当に自然を満喫できる。
近くにある湖には誰もいないため、静かに小鳥のさえずりしか聞こえない。
私達はそのまま近くの草むらに座り込んだ。
さわやかな風にゆられて、ゆっくりと時間が流れる。
「……こういう所に来たら心が和むよね」
「和む？更紗でもそういう言葉をつかうんだな」瑞徳夢減肥茶
「どういう意味よ……？」
祥吾は私にもたれかかってくると思ったらそのまま私の膝に頭を乗せる。
寝そべった状態、いわゆる膝枕をしてる状態の彼。
「祥吾？誰の許可を得て膝枕してるのよ」
「……俺の許可」
彼はそう短く言葉にするとそのまま黙り込んでしまう。
「しょうがないなぁ」
祥吾に膝枕なんてしてあげるの、久しぶりかも。
私も何だか嬉しくなるとそのまま彼の頭を子供のように優しく撫でる。
こうしてると恋人みたいだ、ていうか私達恋人だよね？
自信がないわけじゃないけれど、あんまり婚約者だっていう表だった自覚はない。
私達は学生だし、恋人の方がしっくりとくるから。
「……すぅ」
しばらくすると規則正しい寝息が聞こえ始める。
最近、いろいろ大変そうだし、疲れているのかな……？
何だか無理に誘って悪いかなって思った。
可愛い無防備な顔に悪戯したくなるのを我慢する。
「……前もこんなことなかったっけ？」
私はふと子供の頃を思い出す。
彼が家にやってきてから数年後、私は今と同じように彼を膝枕した事がある。
確か、ドラマか何かで見たのを実践したがっていたんだ、私が。
庭で祥吾を無理やり膝の上に乗せながら、
「……どう？膝枕って気持ちいい？」
「恥ずかしいよ、更紗ちゃん」
「男の子なんだからもっと喜びなさいよ。照れないで」
私はこの時にはもう彼と契約していた。
あの契約は私が彼を好きになった時に美雪さんから教えてもらった魔法の言葉。
私は彼を好きに命令が出来る。
「もう。……祥吾ちゃんは私と結婚するんだから、しっかりしてよね」
「えぇ？そんな話初めて聞いたよ？」
「今、決めたの。祥吾ちゃんは私と結婚するのが１番いいに決まってる」
この時はまだ自分の運命なんて知らずに純粋にそう彼に伝えていた。
祥吾が愛おしくてずっと手に入れたいと思っていた。
婚約者問題が出てくるまでずっと将来は私と祥吾がすんなりと結婚できると思っていたんだ。
私の気持ちとは裏腹に祥吾は戸惑いをみせる。
「更紗ちゃん。無理言わないでよ」
「何で？無理じゃないもん。それとも嫌なの？他に好きな子がいるの？」
私は子供心に不安だったんだと思う。
彼を離さないように必死な顔をしていたんだ。
「……いないけど。俺でいいの？」
「うん。祥吾ちゃんがいい」
満面の笑みで答える私は……あの時からずっと彼のためだけに生きてきた。
祥吾も私を甘えさせてくれた。
ずっと変わらないと信じていた。
祥吾が目を覚ましたのはお昼を過ぎた辺り。
薄っすらと瞳を見開くと、いきなり私の頬を撫でた。
「な、何？」
「何か嫌な夢を見た気がする」
「嫌な夢？どんな夢だったの？」
「お前に……見捨てられる夢、かな」
不安そうに呟く彼を私は精一杯の優しさで包み込む。HARDWARE 芳香劑 RUSH『正品』
「大丈夫、私はそんなことしない。絶対に……」
私が今も昔も好きなのは祥吾だけだから。
|
Posted by beggar318 | 20:02:08, May 20, 2013 | TrackBack:x | Comments:x |
