大旦那さまがうちへいらしたのは12年前の10月のこと。
当時通っていた塾の先生のお宅にたくさんの雛が生まれ、一羽いただいてきた。
連れて帰った大旦那さまを見たふさ子の父が一言、「この子は足に奇形があるから長生きしないかもしれない」とつぶやいた。
ふさ子より鳥人生の長い父親の言う事。かなりのショックを受けた。
そのため、もし短い人生になったとしてもうちに来て良かったと思ってもらえるよう、この子のために一生懸命頑張ろう、と思ったのを覚えている。
あれから12年。
父の言葉は全くのウソだった事を思い知らされている。